異動が出ても、元部下と付き合いますか?

UnsplashJason Goodmanが撮影した写真

内示でコロコロ変わる人間関係

春だ。

人事異動の季節である。

そしてその度に思うことがある。

「人間関係なんてものは、その場しのぎのものに過ぎないんだよな」と。

これはマネージャー側、部下側、双方に思うことである。

マネージャー側は、部下に慕われたいとあれだけ言っていたはずなのに、内示が出た瞬間にもうその興味を失ってしまっているように見える。

部下側は、マネージャーに内示が出た瞬間から、その人の悪口を大っぴらに言い始め、元から全然好きではなかったということが露見されることが多い。

さて。

このブログは主にマネージャー層に向けて書いているものなので、1つ問いたい。

「あなたは異動になっても、元部下と関係性を続けますか?」

それでは始めていこう。

表と裏

今日のテーマである問いは、実際に人事異動になった人も、そうでない人も、考えてみることは悪いことではないのではないかと僕は思っている。

というのも、それによって部下との距離感について改めて考えることができるようになるからである。

いつも言う話で恐縮であるが、上司と部下という関係性には、権力関係というか上下関係というか、とにかく「評価する者と評価される者」という関係性が内包されたものである。

であるからして、そこには打算が必ず働くことになる。

どんなに合わない上司であっても、嫌いな上司であっても、それを露骨に出す部下はそこまで多くない。

それなりの関係性をキープすべく、日々付き合っている訳である(自分の評価にも響くし)。

でも、それが人事異動の発令が出ると、一気に解除される。

今まで隠していた様々な不満が出てくるようになる。

「それって良いことなのだろうか?」と僕はいつも思う。

権力関係が解消された方が、部下とは付き合いやすいのでは?

これはマネージャー側も同様である。

僕が出会うマネージャーの多くは、部下に好かれたいという感情を(結構強めに)備えている。

そして、実際にそのように行動したりもしている。

ただ、人事異動が発生し、実際にその部署から離れた時、元部下と以前のような関係性を続けている人はごく稀である。

もちろんいないこともない。

でも、そのような人は、元からそこまで部下に好かれたいという感情を強く持っていないようにも思えるのだ。

本来であれば、上記したような上司部下というある種の権力関係が解消されたら、今まで以上にフラットな状態で元部下と付き合えるようになるのではないか?

僕にはそう思える。

そして、僕の場合は、実際にそうすることが多い。

数は多くないけれど、定期的に話をしたり、飲みに行ったりする元部下はそれなりにいる。

むしろ、上司部下という関係の時よりも、距離が近いくらいである。

権力関係がないと、自分は尊重されないと思っているのでは?

これはもちろん価値観の問題で、上司部下という関係性がある時だけ親しくしようとするのは、「仕事は仕事としてきちんと取り組んでいる」と言えなくもない。

「プロフェッショナルとして、そのような関係性を演じているのだ」と。

もちろん、それならそれで僕がとやかく言う必要はない。

でも、そうは見えないのだ。

もっとプライベートな感情がそこには内在しているように僕には思える。

ただ、人事異動という魔法が解けると、生身の自分が露出してしまい、その生身の自分では以前のような上司部下関係を維持できないので、興味をなくしてしまう、そんな印象を僕は覚える。

プロフェッショナルで希薄な人間関係

僕はこのブログの中で「結局は人間性」ということを言い続けている。

それはマネジメントというのは、そもそもの人間性がその勝敗を決すると心から思っているからである。

そして、今回の話もその「本来の人間性」というものが多いに関係してくる。

上司部下という関係性を離れても付き合いたい人なのか。

そうでもないのか。

それはどちらかというとマネージャー側がジャッジするものではないような気もしている。

というか、ジャッジしたとしても、部下側が望んでいないのであれば、そのような人間関係は早晩切れてしまうものだと思っている。

そのような(僕からすれば)薄い人間関係。

それと対照的な在任時代の濃い感じ(濃さを求める感じ)。

素晴らしくプロフェッショナルだ。

というか、ただ薄っぺらなだけだろう?

部下との関係性は普通でいい(在任時代は)

僕は「部下との関係性は普通でいい」と常々言い続けている。

そんな僕であっても、「普通」以上の関係性を築くことができる部下がいる。

歳の離れた友人のような関係性。

そう多くはないけれど、そういう人がいるマネジメント生活はそんなに悪いものではない。

そして、自分が在任時代にやっていたマネジメント自体に自信も持てるようになってくる。

マネジメントの証明書

マネジメントは正解のない仕事だ。

何が正しいのか、間違っているのか、常に迷いながら判断を行わざるを得ない仕事である。

その判断が想定していないような事態を引き起こすと、自信がなくなり、判断もどんどん鈍くなっていく。

その際に何らかの拠り所が必要なのだ。

もちろん、それは元部下でなくてもいい。

でも、自分のマネジメントについての証明書をくれるのは、それも飾られていない証明書をくれるのは、元部下くらいなのではないかと僕は思っている。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

所詮職場における人間関係なので、改めて読み返してみると「まあそんなものだよね」「何をそんなに熱くなっているのか」と思ってしまうような内容で、お恥ずかしい限りです。

ただ、言わんとしていることはわからなくはありません。

多くのマネージャーは部下に好かれようとし過ぎ。

多くの部下はマネージャーに良い顔をし過ぎ。

僕が思うのはこのようなことです。

もっと普通でいいんじゃね?

拙い文章ですが、引き続き読んで頂けたら幸いです。