初動が大事
管理職はリアクションの仕事
管理職はリアクションの仕事である。
そんなことを思う。
これは管理職以前がアクションの仕事であったことと対比する。
能動的に仕事を仕掛けていくのがプレイヤー時代の仕事のやり方で、管理職は上司や部下など周囲から何らかのことを「受ける」ことで仕事が始まることが多いように感じている。
となると、その受けるタイミング、最初の時の反応が結構大事となる。
皆さんもご経験があると思うけれど、「上司が自分の話を面倒くさそうに聞く」というのは、部下の立場に立ってみると結構キツい。
でも、上司側になってみると、日々忙しくて、毎回毎回感じよく部下に対応するというのは難しいのも事実である。
ただ、そこがキモなのだ。
では、自分の手元作業をやりながら、良い感じで部下に対応する為にはどうしたらいいのだろうか?
今日はそんなことを書いてみようと思う。
それでは始めていこう。
なぜズカズカと入り込んでくるのか?
忙しい時に割り込まれるとイライラする。
それも頼み方が無礼であったりするので、余計に腹が立つ。
こんな感じが僕の日常である。
部下というのは、こちらが忙しそうにしていようがいまいが、あまり気にせずズカズカと割り込んでくる生き物である。
そして、それが当然だとも思っている。
それが透けて見えるから、イライラする。
でも、出来るだけそう見せないように、感じよく対応しようとするのだけれど、どうしても端々にその苛立ちが出てしまう。
多くのマネージャーにとって、部下とのやり取りはそんな感じではないだろうか?
手を止め、部下と向き合う
ただ、冒頭にも書いたように、ここで良い感じに対応することがマネージャー業務においては重要である。
教科書通りの回答をするなら(そしてそれがとても大事なことであるのだけれど)、「まず手を止め、部下と向き合う」これが基本形である。
自分の作業を中断し、部下側に体を向ける。
顔が仮に強張っていたとしても、これで合格点は貰える。
まずはここから始めてみると良い。
もちろん、キリの良い所までやりたい、という気持ちはわかる。
あとちょっとで一区切りつくのに、その気持ちは痛いほどよくわかる。
でも、スパっとやめる。
それが肝要である。
早めに部下の依頼を終わらせてしまう
冷静になってみればわかることであるが、そこで一旦手を止めようが、キリが良い所までやろうが、仕事のスピードはさして変わらない。
だから、(僕もそうであるが)「仕事に割り込まれた」という事実を強調したいが為に、「ちょっと待って」とか「あと5分経ったら声を掛けるから」みたいなことを言うのはやめた方がいい。
何というか、手間が増えるだけだからである。
それなら苛立つ気持ちをグッと堪え、そこでパッと手を止めて、部下の話を聞いてしまう(片付けてしまう)方が、トータルの生産性は上がるような気がしている。
ここまでが基本形だ。
応用形も一緒
では、聞く(+ちょっとした判断)だけではなく、動きが必要になる依頼や相談であればどうだろうか?
簡単な回答だけではなく、ちょっとその案件に踏み込まなければならないような話(応用形)であればどうするだろうか?
これも基本形と同様である。
手元にあった案件は諦めて、そちらの仕事に取り掛かる。
もちろん、手元にある仕事の重要度にも左右されるのは事実であるが、僕の経験上、マネージャーにとって喫緊の業務というのはそこまで多くはない。
だから、部下の案件、すぐに動かなかければならない仕事をまずやってしまうことが大事である。
そして、実際にやってみると分かると思うけれど(経験している方も多いと思うけれど)、基本形も応用形もそこまで体力がかかることは殆どない。
嫌味っぽい言い方をするなら、自分であればすぐに解決できるようなレベルの仕事を部下は必要以上に悩んでいたりもするので、方針なり展開なりを示してしまえば終わることが大半である。
なので、(繰り返しにはなるが)ちょっとした苛立ちを抑えることが肝要、というのが今日の結論となる。
手元に案件を抱えない(暇そうな状態を作っておく)
最後に、それに加えて大事なことを書いて本稿を終えようと思う。
それは(身も蓋もない話であるが)、マネージャー自身が手元に案件を抱えない(できるだけ抱えないようにする)ということである。
これはプレイングマネージャー的な仕事のやり方をしないということでもあるし、仮にマネジメントに特化していたとしても、手元にある仕事は最優先で片付けてしまうということでもある。
要は、いつ部下から相談されてもいいように、暇そうな状態を作っておく、ということになる。
その為には、依頼された仕事はいの一番に片付けることを習慣化することが重要となる。
そして、完成度に拘り過ぎないことも同じくらい大切なことだ。
大事なのはレスポンスのスピードである。
即レスを
それは「球を自分で持たない(相手に持たせる)」ことにも関係してくる。
メールでも何でも、来た瞬間に返すことを習慣化してしまえば、手元に仕事が溜まる可能性は大きく減少する。
そうやって、部下の話を聞ける態勢(イライラしない態勢)を準備しておくのである。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
「すぐに返す」
仕事における優秀さのポイントはこれであるような気がしています。
僕は大抵の仕事は来た瞬間に返すように心掛けています。
というのも、どうせ考えたところで、僕程度の実力だと大して違いなど生まれないと考えているからです。
だったら、完成度が低くてもレスポンスが早い方がいい。
それに不満があれば先方から返信があるでしょうし、その応答の中で仕上げていけばいい、僕はそのように考えています。
手元から仕事をなくし、暇そうに仕事をしていきましょう。