汚れ仕事も引き受けよう
ピンチの場面でどのように振舞うか
部下との関係性が上手くいっていないそこのあなた!
もしかしたら汚れ仕事から逃げていることが原因かもよ?
今日はそんな書き出しで文章を始めてみる。
部下が上司を信頼するかどうかは、「ピンチの場面でどのように振舞うか」が大いに関係している、と僕は思っている。
普段どんなに格好良いこと言っていたって、ピンチの場面で逃げるようなマネージャーは信頼に値しない、そんなのは自分の立場に置き換えて考えると当たり前の話であると思う。
でも、これが実践するとなるとなかなか難しいのだ。
今日はそんなことを書いていく。
マイナスのギャップを生じさせないことが大事
ギャップというものを意識して仕事をすることはあるだろうか?
これはプラスにもマイナスにも作用する概念である。
そして今日の話は、マイナスのギャップを生じさせないことが大事である、ということと関係してくる。
普段格好良いことを言っていて、ピンチの時に逃げると、マイナスギャップは拡大する。
落差が大きくなってしまう。
「部下からの信頼ポイント」というものが仮にあるとして、それが急落、マネージャー株はゴミ屑と化してしまうのである。
ただそれは表面には見えづらい。
部下も露骨に表現することはないし、マネージャーもそれに気づくことはない。
しかしながら、確実にそれは進行しているのである。
プラスの反動で大暴落
部下というのは上司を思いのほかよく見ている。
もちろんバイアスがかなりかかっているなと思うこともしばしばあるのだけれど、ある程度の期間を経ると、妥当なところに収斂することが多いような気がする(全く見る目がない人も一定数存在するのも事実であるが…)。
なので、一定期間は格好良いことを言うことで誤魔化すことはできるのであるが、そこに行動が伴わないと、早晩メッキは剥がれてしまうのである。
そしてそれはピンチの時に一気に露出する。
期待値が上がりきっていると、そんなに大きなミスを犯さなかったとしても、このギャップによって株価は大きく下落してしまうのである。
逆サイドに大きく振れる「振り子」のように。
及第点で十分
一方で、普段は頼りないマネージャーと思われているマネージャーが、ピンチの時に率先して汚れ仕事を引き受けていると、プラスギャップが発動する。
このプラスギャップというのは思いのほか、「効く」。
何もそのピンチに対して大勲功を上げる必要はないのだ。
ただ、フラットに向き合えばいい。
100点でなくても、60点くらいを取れれば、このプラスギャップ効果によって、マネージャーの評価は大きく上昇することになるのである。
ピンチ時には得点が倍増する
僕が常日頃、「課長は暇そうでいい」と言っているのは、このこととも関係している。
というのは、忙しくしていると、ピンチに対して向き合う気力や体力がなくなってしまうからである。
マネージャーの仕事は、日常業務を円滑に回すことももちろん重要であるけれど、この種のピンチの際に適切な対応をすることも大事なのである。
というか、ゲーム感覚で言うと、この「ピンチイベント」の時には得点が倍増するのである(プラスにもマイナスにも)。
なので、普段コンスタントに得点を稼いでいたとしても、このピンチの時に上手く対処できないと、大きく減点を食らうことになってしまい、マネージャーの評価は上がらなくなってしまう。
そしてそれは部下から露骨に表現されるのではなく、冒頭に書いたような「何となくしっくりこない関係性」という形で現れるのである。
逃げない。ただそれだけ
では、ピンチの時にはどのように振舞えばいいのか?
逃げない、それだけである。
先程も書いたように、「上手に対処する」ことは最優先事項ではないのだ。
ただ「そこにいる」ことが重要なのである。
できれば、向かっていけると尚いい。
僕は自分の給与の大半は「トラブル対応料」だと思っているので、この種のイベントが起きると、「おやおや、私の出番が来たようですね…」と思うことにしている。
もちろん、内心はビビッているのだけれど、別にビビっていたって構わないのである。
取り敢えず、そこにいて逃げなければ、もう60点は獲得できるのだ。
ただいればいい
そして場数を踏んでいると、大抵のトラブルについては「ああこのパターンね」と思えるようになる。
そうなれば、ビビることもなくなっていく。
別に格好つける必要はないのだ。
ただいればいいのだから。
それだけで株が上昇するのだから。
こんなに簡単なことはない。
立っているだけの簡単なお仕事
でも繰り返すが、これを実践できている人はそんなに多くないのである。
人間は恐怖があると、本能的に「身をかわす」構造になっているからである。
その本能を抑え込む。
気づかないフリをする。
焦ってもビビっても、ただそこに突っ立っていれば、もうマネージャーの仕事は終了である。
後は事態の流れに身を任せていればいい。
ピンチの場面を心待ちにしていよう
一連のトラブルを潜り抜けると、部下からの対応が変わっていることに気づくはずだ。
自分は何もやっていないのに、何となく暖かな対応になっていたりするから、驚きである。
なので、今部下と上手くいっていないな、と思う方は、ピンチの場面を心待ちにしていると良いと思う。
その時が来たら、一歩踏み出す。
それだけであなたの今の悩みは解消されるはずだ。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
部下から信頼される為には、普段の仕事の出来不出来はあまり関係がありません。
というか、むしろダメダメなくらいの方が、ピンチの場面でのプラスギャップが拡大します。
逃げたくなる気持ちを何とか抑えて、そこに立っていましょう。
それだけであなたの評判は一気に向上します。
冷汗をかきながら、作り笑いで立ち向かっていきましょう。