新人教育について(鉄は熱いうちに打て)
初等教育には賞味期限がある
春になり、自分の部署やチームに新人が入ってきた人もいるかと思う。
そんな人に向けて、今日は新人教育について書いていこうと思っている。
結論から言えば、それはタイトルにもある通り、「最初が肝心」ということである。
「三つ子の魂百まで」と言っても過言ではないくらい、社会人にとっての最初の環境は重要であり、その時の経験がその後の職業人生において大きな影響を及ぼしていくのである。
であるからして、僕たちマネージャーは、その重要性と重大性を十分に認識して、そこに注力する必要がある。
初等教育には賞味期限がある。
裏を返せば、それ以降は部下は伸びないということでもある。
それでは始めていこう。
新人は良いものだ
コロナや人員削減の波の影響が多少緩和され、久しぶりに僕の部署にも新人が入ってくることになった。
何だかんだ言って、やっぱり新人というのは良いものである。
何というか、チームがフレッシュになるというか、他のメンバーにも初心を思い起こさせるような効果があって、それだけで全体のモチベーションが1ノッチ上がるような感じである。
ただ、一方で、新人というのは中堅やベテランとは比較にならないくらい、様々な問題を引き起こしてくるのも事実である。
マネージャーとしては、なかなかハードな日々が始まるとも言える。
でも、ここを疎かにしてしまうと、その後のチームビルディングに大きな影響を与えてしまう可能性が高いので、是非ともしっかりと向き合うことをお勧めしたいと思う。
その際に意識するポイントとして、「優しさと甘さは別」ということと「新人教育には期限がある」ということが挙げられる。
優しさと甘さは別。でも、その違いは部下には伝わる。
まず、「優しさと甘さは別」から。
これは他のブログの中でも書いている話なので、今回は多くは語らないけれど、特に新人に対してはこれを意識しておくことは重要であると僕は思っている。
特に現代のような「あまり失敗したことがない」「怒られることに慣れていない」「自分で考える経験が少ない」若者がたくさんいる状況(昔もそうだったのかもしれないが…)においては、この線引きはとても大事であると僕は思っている。
そして、それは同時に部下を信じるということにも繋がっている。
どうも多くのマネージャーは部下を舐めていて、優しさと甘さを分けて指導していても、それが相手には伝わらないと思っているような気がする。
どうせ両者は混同されてしまうのだから、あまり意味がないのではないか、というように。
もちろん、これは無意識的になされている場合が多いし、というか、もしかしたらそんなことは考えにすら及んでいないのかもしれないけれど、これをきちんと分けて指導していると、その違いは確実に部下に伝わるのだ。
重要なことなのでもう1度言う。
優しさと甘さは別。でも、その違いは部下には伝わる。
厳しさのレバレッジ
甘くするのは簡単である。
そして、優しさという名のハラスメントが時に問題になっていることも事実である。
でも、これらをきちんと峻別し、適切に伝える努力をすれば、その後の成長の速度は大きく変わる。
厳しさも時には必要なのだ。
そしてそれが効果を及ぼすのは、新人の内だけなのである。
新人教育には期限がある
これが2つ目の話の「新人教育には期限がある」に繋がってくる。
何年もマネージャーをやってきて僕が思うのは、「基本的には部下は成長しない」という悲しい現実である。
もちろん中には成長を見せる者もいる。
それも大きな変化がある場合もある。
でも、それはマネージャーがいようがいまいが、教育体制がどうであろうが、勝手に成長するタイプの部下なのである。
それ以外の部下に成長を期待するのは難しい。
ただ、新人は別だ。
仕事へのスタンスや距離感が重要
僕は入社から3年以内であれば、部下の成長は可能であると思っている。
それは社会人としての基本動作みたいなものが固まる前段階であるからである。
そして今後のキャリア形成において大事なのは、この部分だとも僕は思っている。
これは具体的なスキルを身に付けるとか業務内容を習得するとか、そういうことのベースとなる概念である。
仕事に対してどのようなスタンスで取り組むのか、どのくらいの距離感を取るのか、そのようなマインド(土台)。
これが固まってしまうのが入社3年くらいなのだ。
それ以降はどんなに頑張っても土台が変わらないので、大きな変化は見込めない。
だからこそ、この期間のうちに様々な経験をさせることが重要なのである。
マインドは不変
マインド面がある程度しっかりしていれば、スキルなどはどうとでもなる。
でも、それがなければ、成長することは難しい。
ましてや、現代という時代である。
スキルはすぐに陳腐化する。
ただ、マインドは不変だ。
新しいものに興味を持つ、自ら学びに行く、自分で物事を考える、自分の意見を表明する、適切な言葉遣いができる、気持ちの良い挨拶ができる、そのような種類のこと。
これらをすることが「普通」であることを、叩き込むこと。
それが新人教育における要諦である。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
いい文化を作ること。
一旦それができれば、あとはマネージャーがやらずとも、メンバーが勝手に新人を指導してくれます。
ただ最初の1歩が難しい。
だから新人が入ってきた時にはチャンスであるとも言えます。
余計なフォームを身に付ける前に、ガッチリと叩き込みましょう。