あるタイミングから急に部下と仲良くなるけど、アレって何きっかけなんだろう?

UnsplashMelanie Standerが撮影した写真

まるで示し合わせたかのように

今日の話はタイトルの通りで、あるタイミングから「急に部下との距離が縮まったな」と思う時が僕にはある。

それも誰か1人、特定の部下と仲良くなったということではなく、部下達が示し合わせたかのように一斉に距離が縮まるタイミングがあるように感じている。

これに僕はいつも戸惑うというか、不思議な感覚になる。

そして、これといった理由が思い付かずにいる。

ただ、そうは言っても、それなりに推測できることはあるので、部下との距離感に悩んでいるマネージャーの方には参考になることがあるかもしれない。

それでは始めていこう。

再現性があるのかどうかは不明

僕はいくつかのチームでマネージャーをやってきた。

そして、ある時期から部下と話がし易くなった、話が通り易くなったと感じることを何度も経験してきた。

ただ、それは狙ったものではなく、だからこれから書くことに再現性があるのかも正直よくわからない。

でも、これ以前とこれ以後ではマネジメントのやり易さが大きく変わるのも事実で、ただそれがどのマネージャーにも訪れている訳でもなさそうなので、今日は敢えてそれをテーマにしているのである。

ただ「馴染んだ」以上のもの

ここまで読んで頂いた方の中には「それって単純に時間が経って、馴染んだからじゃないの?」と思われる人もいるかもしれない。

そして、それは確かに理由の大部分を占めるだろう。

ただ、僕が言いたいのは、「それだけでは説明できないものがあるんだよなあ…」ということである。

やや不遜な言い方を許容して頂けるなら、多くのマネージャーが「部下と仲良くなったな」と感じるもの(単純接触効果によるもの)とはちょっと次元が違うというか、レベルが違うものであるように僕はこの現象を捉えている。

それは「馴染んだ」というよりも、「安心感を得た」という感覚なのである。

「この人は話が通じる人である」と全部下に思われること。

それが僕と、(失礼であるが)「その辺のマネージャー」との大きな違いであると考えている。

大きなトラブルに冷静に対処する

では、これは何をきっかけとして生じている現象なのだろうか?

僕が考える仮説は、「大きなトラブルに冷静に対処する」ことが大事、ということである。

それも狙って行う訳ではなく、ただ通常通りやっていたらそのようになっていた、というような感覚なのである。

安心感を覚えてもらう

これは上記した単純接触効果による「馴染み」とは大きく違う。

何らかの危機を経て、その危機に対して僕というマネージャーが的確に対処したことで、部下たちは安心感を覚える。

「この人は身を預けても大丈夫な人だ」と認識してもらえる。

これが特に新しいチームに着任した際には大きなターニングポイントになると僕は考えている。

ボーナスタイム突入!

繰り返すが、それは事後的に振り返ってたぶんそうじゃないかというものなので、正直なところ確証がある訳ではない。

僕の分かりづらい人間性がようやく認知された、そういうこともきっと理由としてはあるだろう。

でも、マネジメントという仕事をしてきて僕が思うのは、上司が部下に信頼される(もしくは信頼を失う)のは、「大きなイベント」に対してどのように臨むか、その「臨み方」が関係しているということである。

普段の仕事の得点が1点・2点(もしくは▲1点・▲2点)とカウントされるものであるとするなら、この「大きなイベント」の期間はその得点が10倍・100倍になっているようなもので、そこで大量得点が得られたことによって、全部下の「信頼点数」が一気に向上する、そんな感覚を僕は持っている。

そういう意味では、危機の時ほどマネージャーは慎重に行動すべきである、ということになる。

そして、その際に大事なことは「逃げないこと」、それだけである。

逃げたいという気持ちでさえも敏感に察知される

部下は上司の行動をよく見ている。

一見、逃げたように見えない行動であったとしても、それがちょっとでも逃げという感情に基づいたものであるとするなら、部下はその匂いを確実に嗅ぎ取り、「アイツは逃げた奴だ」という判定を下す。

それによって、あなたの「信頼点数」は一気に下がる(例えば▲100点のように)。

こうなると、もう普段の仕事でいくら得点を積み重ねたとしても、焼け石に水である。

だから、何か大きなイベントがあった際には、そこから逃げないことが重要なのである。

危機こそチャンス(という聞き飽きたアレ)

これは「立ち向かう」ことを必ずしも求めるものではない。

「ただそこにいる」それだけでいいのだ。

暴風雨の中、何もできなくても、部下と共にその雨風に晒されること。

それができれば、その嵐が去った後に、あなたと部下との関係性は不思議なくらい良くなっている。

もちろん、それは嵐が去って、だいぶ経ってから気付くことではある。

僕のように、何きっかけかわからずに、「たぶんアレが原因だったのではないか」くらいのぼんやりしたものではある。

でも、それが出来る時、というか出来た後、よくわからないくらいマネジメントという仕事はやり易くなっているはずだ。

危機こそチャンス。

そんな使い古された言葉を胸に、嵐を乗り切っていこう。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

信頼を失うのは一瞬(取り戻すのは一生)。

そんなことが言われることがあります。

そして、まあそうだよな、と僕も思っています。

マネジメントの仕事は「ベースの信頼感」が大事で、それを為す為には、大きな失点をしないことが重要です。

これが大前提。

それに加えて、今日のテーマのように大量得点を取ることができたら、もう後は余裕です。

論より証拠。

口先だけは立派なマネージャーが多いこと多いこと。

その中で、泥に塗れたり、風雨に晒されたりできる人はそれだけで希少種です。

淡々と誠実に仕事をしていきましょう。