見える世界の違い
悪意も他意もなくても、悪く取られることはある(たくさんある)
当たり前の話だけれど、人によって見えている世界は違う。
マネージャーをやっているとそれを実感する。
曲解という言葉のように、意図的に捻じ曲げて解釈するのではなく(もちろんそういう場合もある)、そもそもの見えている世界が違うという感覚。
これに僕は何度も面食らうことになった。
悪意も他意もなくても、そのように受け取る人はいる。
そして多くの人にとっては悪意も他意もなく受け取られるのに、そうじゃなく受け取る人もいる。
その少数の人の声が大きい場合もある。
そんな中でもマネージャーは日々仕事をしなければならない。
今日はそんな話だ。
サイコパス部下
あなたの部下にサイコパスはいるだろうか?
そんなぎょっとするような質問から話を始めてみる。
僕にはいる。
というか、いなかったためしがない。
もちろん彼(彼女)らは否定するだろう。
そしてポリコレ界隈の人はこの発言を聞いて騒ぎ出すだろう。
もちろん偏見は良くない。
断定もいけない。
でも、実感として、経験として、僕はそんな風に感じるのである。
マネージャーは人と関わらざるを得ない仕事
マネージャーとして仕事をするまでは、そのような傾向を持つ人とは距離を取って付き合うことができた。
僕はそもそも職場において基本的に誰かとあまり近しい関係を築きたいと思わないし、営業という職種柄それでも何とかなるということもあって、今までなるべくその種の人との関わり合いを避けて仕事をしてきた。
でも、マネージャーになってしまうと、否が応でもその種の人と交わらざるを得なくなる。
これは厄介な事態だ。
自己懐疑がないという特徴
もちろんサイコパスと一言で言っても十把一絡げにできるものではなく、性質や傾向は人それぞれである。
でも、何となくのヤバさは確実にある。
そしてサイコパス的傾向を持つ人の特徴として、自分がサイコパス的傾向を持っているかもしれないという自己懐疑がない、という点があると僕は思っている。
他者への洞察は鋭いが、自分はそこに含まれない。
客観視ができない。
だから改善も望めない。
ヤバさは実際に「食らわらない」とわからない
もう少し詳しく言うと、この傾向というのはある程度日常的に接点を取らないと露見しないことが多いのである。
具体的な例を挙げると、同僚たちの間では「あの人はヤバい」というのは周知の事実であるのに、その直属の上司が気付かない場合もあるし、直属の上司は理解していても、その上の上司はまるで分かっていない場合というのが往々にして起こるのだ。
そしてそのヤバさの性質を伝えるのはなかなか難しい。
実際に「食らわない」と、理解されないのである。
あなたの上司はあなたの部下がサイコパスだと気づいていない
あなたの部下がサイコパスで、それを他のメンバーもあなたも気づいているとする。
でも、あなたの上司は気づいていない。
そしてその部下は問題行動を引き起こし続ける。
改善は望めない。
さて、どうしようか?
世界観の違い
彼(彼女)らから見える世界は、自分から見える世界とは明らかに異なる。
そんな状況の中で、「目を覚ませ!」なんてことを言ったって何も伝わらない。
そもそもの受容器が違うのだから。
そりゃ戦争がなくならないわけだ。
そんな中で、こちらの悩みなんて関係なく、彼(彼女)らは問題を起こし続ける。
それが問題だと意識もしないまま。
その際にマネージャーにできることとは何だろうか?
サイコパス以外のメンバーに対するメッセージを
この疑問に対する答えはまだ出ていない。
ただ、僕なりの現時点での回答を出すとするなら、「それは違う」ということを言い続けることだと思っている。
これはサイコパス本人向けではない。
それ以外のメンバー向けである。
自分は分かっているということを示すこと
サイコパス本人に「それは違う」ということを言い続けたとしても、状況が改善することはない。
一時的に効いたように見えても、結局は同じことを繰り返すだけである。
ここで重要なのは、その人がサイコパスであり、問題行動を起こしていることをマネージャーがきちんと理解しているということを示すこと、だと僕は思っている。
一見、彼(彼女)らはまともな人に見えるからである。
そして、上記したように、それに気づかない人達もたくさんいるからである。
矯正は不可能
見えている世界を矯正することはできない。
そもそも自分が悪いなんてことは思っていないのだから。
でも、マネージャーはそれを言い続ける必要がある。
改善はしないとしても、被害を最小限に食い止めるために、行動を抑制させる必要がある。
客観的証拠を集めていく
そうやって時間を稼ぎながら、適宜上司に状況を伝えていく。
最初の方は、全く理解されないだろう。
彼(彼女)らは普通に見えるから。
でも、それでもめげずに事実を淡々と伝え続けるのだ。
できれば、他のメンバーからも進言してもらうといい。
そうやって客観的な意見を集めていく。
すると、徐々にではあるが、上司もその人がまともではないことに気づいていく。
状況は伝えておく
もちろんここで人事的な判断が為されるかどうかは、その上司次第である。
会社として、何とかその人をそのまま使って欲しい、という事情もあるし、それも理解できる。
でも、事実だけは、その状況に陥っていることだけは伝えておく必要があると僕は思っている。
我々のパフォーマンスはその要因があっても、このような状態です、ということを示し続けるしか、サイコパス社員から身を守る術はない。
それではまた。
いい仕事をしましょう。
あとがき
変なヤツがのさばって、それ以外のメンバーが我慢せざるを得ない。
それに対する補償がある訳でもない。
ここに日本社会の閉塞性の一因があるような気がしています。
解雇まではできなくても、減給くらいしたいというのが僕の正直な気持ちです。
その分を他の真面目なメンバーに渡して、生産性の向上と公平感を。
無理か。
無理だな。
キツいですが、前向きに仕事をしていきましょう。