機嫌を一定に保つ

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相談しやすい雰囲気を作るには?

部下が相談しやすい雰囲気を作ること。

これが昨今のマネジメントにおいて求められることである。

では、相談しやすい雰囲気というのはどうやったら作れるのか?

「機嫌を安定させる」というのが僕が考える答えである。

もちろん、機嫌を良くする(良いままでいる)ことができれば最高だ。

でも、それはなかなかハードルが高い。

だからせめて、機嫌を一定に保つこと。

それができれば、部下から自然と相談されるようになる。

今日はそんなことを方法論も含めて書いていこうと思う。

それでは始めていこう。

マネージャーの振る舞いにおける難易度の上昇

怒られ慣れていない部下の増加と、ハラスメントへの意識向上等々により、マネージャーの職場における振る舞いは難易度が増している。

叱ることも、問いただすことも、なかなか難しいというのが現実だと思う。

でも、部下というのは問題を引き起こす生き物であるのも事実である。

となると、マネージャーは牽制の意味も込めて、ある程度部下の行動は把握しておかなければならないことになる。

圧を掛けずに、自発的に相談される為にはどうしたらいいのだろうか?

では、昨今のような状況下、「圧」をかけず、部下の行動を把握する為にはどうしたらいいのだろうか?

マイクロマネジメントがNGであることはすぐにわかるだろう。

このようなスタイルを取るマネージャーは多いけれど、マネージャーが部下を管理しようとすればするほど、部下から自発的に相談されることはなくなっていく。

ひいては非常に受動的な部下が誕生する。

そして、そういうマネージャーに限って「部下が受け身で困っています…」とか言うのである。

話が横道に逸れた。

部下から気軽に相談されるような状態を作る方法論についての話であった。

それが今回のタイトルでもある「機嫌を一定に保つこと」である。

感情を安定させる

感情の起伏が激しいマネージャーは嫌われる。

というか、信頼されない(特に女性には顕著であると僕は考えている)。

部下は上司の顔色を伺うようになるし、相談したいタイミングで機嫌が悪そうだったら、「また今度にしよう」と思われ、適切な機会を失うことになる。

そうやって、部下からの相談は後手後手になる(もしくは相談すらされなくなる)。

また、内容的にも、「本当にヤバい時」しか相談されなくなってしまう。

これは現代のマネジメント環境においては非常に厳しい状況である。

「握り込み」のようなことが頻発するようになり、下手をすれば、社規や法律に抵触するようなことだって起こり得る。

そうなる前、できるだけマイルドな状態で相談される、というのが望ましい訳だ(対処も簡単だし)。

となると、やっぱりマネージャーが感情を安定させる必要がある。

部下が相談しようかなと思ったタイミングで、その話を聴ける状態に機嫌を保っておくこと。

それがとても重要なことである。

言うのは簡単であるが…

でも、この忙しく世知辛い世の中において、機嫌を保つのはとても難しい。

言うは易く行うは難しで、どうやったってイライラしまうだろう。

では、どうしたら機嫌を一定に保つことができるのだろうか?

大事なことは3点

僕がマネージャーを9年やった経験から言うなら、大事なことは下記の3点である。

1.自分がやらなければならない仕事は最速で終わらせ、暇な状態をできるだけ長く保つこと。

2.出世欲を捨てること

3.部下も誰かの家族であることを想像すること

以下、簡単に説明していく。

課長は暇そうでいい

1.は僕が常々言っている「課長は暇そうでいい」ということである。

でも、暇そうでいる為には、課長としてのタスクをできるだけ速く終わらせておく必要がある

そういう意味では、仕事が速いというのは、暇そうでいる為には必要条件であると言える。

また、仕事の速さというのは、「要点を捉えた適切な完成度に持っていくこと」とも言える。

これはまたどこかで書こうとは思うけれど、マネージャーの仕事はある種無限であるので、「そこそこのライン」で満足する(自分を満足させる)ことが重要である(拘り過ぎはダメ)。

それができれば、仕事は速くなり、マネージャーは暇そうになる。

出世欲を捨てる

2つ目。

出世欲を捨てるのも、機嫌を一定に保つ為にはとても有効だ。

多くの人がイライラしたり、我を忘れたりするのは、欲が絡んでいるからである(かつての僕もそうだった)。

それが捨てられた時、もしくは薄くできた時、ちょっとのことでは感情が乱されないようになる。

「部下の失敗がオレの昇進に響く」というのは、皆口にしないけれど、たぶん思っていることで、それが本当の意味で捨てられるようになると、感情は一気に安定するようになる。

部下も誰かの家族であることを想像する

最後は、部下も誰かの家族であることを想像することである。

これは部下を尊重するというか、(当たり前のことであるが)仕事以外の側面を持った人間であることに想いを馳せることで、その接し方が大きく変わることを意味する。

皆、誰かの子どもであり、親である。

仕事における多少の失敗くらいなんだっていうのだ?

そのような感覚を持てるようになると、(部下の「親父」や「兄貴」になれ、とまでは言わない。何だか浪花節っぽいし)多くのことは許せるようになる。

そうやって、機嫌を一定に保っていくのである。

それではまた。

いい仕事をしましょう。

あとがき

不機嫌な上司が一定数いて、その人たちは不機嫌を撒き散らすことで威厳を保とうとしています。

でも、それは明らかに時代錯誤なやり方です。

残念ながら、昭和時代のように、そのような上司に対して節度ある対応をしてくれる部下はいません。

ただ面倒くさがられ、表面的な対応(感じは良いが中身のない対応)をされるだけです。

機嫌を一定に保つことはマネージャーとしてもそうですが、1人の大人としても大事なことです。

機嫌良く(せめて悪くなく)仕事していきましょう。