決まらない会議

意味のある会議に参加したことがない

会社における無駄な時間ワースト1位は「会議」であると僕は思っている。

入社してから現在まで、「会議をやって方針が明確になった!」「やってよかった!」ということは1度もない、といっても過言ではない。

それくらい無為な時間がただ経過する。

多くのマネジメント層は、「会議をなくそう!」であるとか「時間は30分まで!」であるとか、威勢よく声高に宣誓するのだけれど、業績が低迷し出すと、そんなことを自身で言ったことは忘れたかのように、長時間の会議を繰り返し出す、結果更に業績が低迷する、という負のスパイラルに嵌っていく。

では、なぜ会議は生産性が低いのか?

会議を(少しは)マシにする方法はないのだろうか?

今日はそんなことを書いていく。

御前会議がデフォルト

会議における問題の多くは、そこが「議論」の場ではなく、「共有」の場にすり替わることに起因している、と僕は思っている。

共有というのも言い過ぎかもしれない。

上申、という感じが適切だろうか。

上位陣(トップマネジメント層や上級マネジメント層)に、「現状はこのようになっています(申し訳ございません)。来月はこのように巻き返しを図ります(のでお許しください)」というフォーマットに基づいて進んでいく。

そして上位陣はその場に来るまで、会議資料に目を通すこともないし、自身の意見を持ってくることもない

会議のスタートと共に、話を聞き始め、その場で咄嗟に思いついたことを言うだけである。

それが「方針」という衣を纏って、現場に伝えられることになる。

いかにも「熟議」を行ったかのような体裁を纏って。

ここに問題がある。

MustでもShouldでもなくHowを

以前にも書いたことであるが、日本のマネジメント層の問題は、「どうやるか?(How)」を言えないことである、と僕は思っている。

「~しなければならない(Must)」「~すべきである(Should)」は死ぬほど出てくるのだけれど、「ではそれらをどのようにやるのですか?(How)」という話は一向に出てこない。

本来、会議というのはそれを話し合う場である。

現状認識を踏まえた、「しなければならない」「すべきである」という議論は、会議の前に終わらせておくべきで、会議の場では「How」に注力すべきなのである。

ただ、上記したような「御前会議」においては、現状報告をするだけで時間が経過することに加え、細かい部分(会議の本質とはかけ離れた部分)に上位陣が拘泥し始めたりすると、もうしっちゃかめっちゃかになってしまう。

そして何も決まらない。

空気を忖度して形だけ行う

「明日からどのようにやるか?」「具体的にどのように動けばいいのか?」は、会議における「空気」を忖度し、現場が考え、決定することになる。

もっと言うと、換骨奪胎して、形だけやることになる。

これでは生産性は上がらない。

腹落ちさせるようなHowを探る

現代におけるキーワードは「腹落ち」で、これがあるかないかによって結果は大きく異なる。

昭和時代から続く「~たるもの」という意識がだんだんと薄くなってきている現代において、その覆いを取ったメンバーに「それをやってみたら面白そう!」と思わせられるかどうかがマネジメントの腕の見せ所である。

権威で無理やりやらせる、ことは通用しない。

というか、通用していると思っている人もいるかもしれないけれど、それは表面だけで、中身は伴っていないのだ。

この「腹落ちさせるようなHow」を探ることに、会議は注力すべきなのである。

共有しかできないなら…

もっと言うと、結論だけを共有すればいいのかなと僕は思っている。

冒頭に書いたように、本来的には会議というのは議論をする場であるのだけれど、日本において「会議」という体裁を取ると、共有や上申的な意味合いから抜け出すことは困難になってしまう。

それも人数が多ければ多いほど。

それなら、「会議は共有の場である」と割り切って、本質的な議論はそれ以前のやり取りでやってしまえばいいのではないか、と思っている。

チャットでやってしまえば?

「いやいや、本質的な議論って、その為にまた会議をするなら同じ(むしろ悪化)じゃないですか?」

そんな声が聞こえてくる。

そうではない。

会議はしない。

ではどうするのか?

僕は「文字媒体を使ったチャット」でいいのではないかと思っている。

口語ではなく文語で

会議というのは口語で行われるため、議論が発散しやすい(これはリモート会議も同様である)。

もちろん議事録は残るけれど、それよりもそこに書いていない「空気感」の方が尊重されたりもする。

それなら、「口語をやめてしまえばいいのではないか?」というのが僕が今考えていることである。

Slackなどのチャットツールを使って、議論の展開を残しておく。

後から見ても、リアルタイムにそこにいなくても、状況がわかるようにしておく。

思い付きで言ったことが、冷静に修正される過程を残しておく。

そんなことが重要なのではないかと思っている。

チャットから会議へ

強制的に参加者全員の時間を取る必要もないし、文字だから打つのが面倒くさくて必要以上のことは書かなくなるし、いいこと尽くめのように思われる(ニュアンスを投影しづらいデメリットはもちろんある)。

その上で、チャット上で行われた議論を纏めて、「会議」で共有すればいい。

僕はそんなことを今考えている。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

会議のことを考えていたら、「結局意思決定って上司の思い付きなんじゃないの?」ということに行き着いてしまいました。

そのくらい会議では何も決まらない。

僕はよく部下とブレスト(というか僕発信のプレゼン)を行うのですが、その方がHowを煮詰めていくにはよっぽど有用な気がしています。

それを文字に落として共有する。

そんなので十分な気がしています。

会議をやめて雑談を増やしていきましょう。