(自分の)上司から嫌われない

部下はマネージャーがその上司に評価されているかどうかを見ている

今日は少し下世話な話を。

部下からの信頼を得る為の方法は色々とあるが、見えない部分で大きな要素を占めるのが、この「自分の上司がその上司からどう思われているか」である。

例えば課長であれば、その上の部長からどう思われているか、が重要になる。

これがうまくいっていないと、部下は課長を舐めだす。そして重要な案件については、課長を飛び越えて部長に相談するようになる。

これはよくない。

もちろん「媚を売れ」ということではないのだけれど、こことの関係性を繋いでおくことは部下のマネジメントを効果的に行うためには必要なことだ。

合わない上司への対応方法

僕自身も多種多様な上司に仕えてきた。

その中には当然ながら合う人も合わない人もいる。

合う人であればことは簡単だ。

何をやったってそんなに悪いことにはならない。

問題は合わない上司にどのように対応するかだ。

方法は2つある。

1つ目は、その上司にとって役に立つ存在となること。

2つ目は、部下から役に立つと思われていることをその上司にも知ってもらう。

上司の苦手な部分を補う

まずは1つ目から。

人間的に上手に立ち回ることができる人であれば、こんなことに悩んだりしないのだろうけれど、僕の場合はこの部分が上手くできない。

人間的に未熟なままであるので、合わない人にはあからさまに「合わない」態度になってしまう。

当然ながらそんな感じで日々接するので、上司側も僕のことを面白くなく思う。

悪循環だ。

いつしか距離は離れ、仕事を進めていくのが困難になっていく。

こうなる事態は避けたい(どうか僕のようにはならないで欲しい)

アプローチの方法は色々とあると思うけれど、僕は「その上司の苦手な部分を補う」というのが一番効果的だと思う。

「人間的には嫌いだけれど、こいつがいなくなるとオレの仕事も上手くいかなくなりそうだから、とりあえず仕事上は程々の距離感でやっておこう。絶対一緒に飲みにはいかないけど

このくらいのスタンスで良いと思う。

苦手な部分はその上司のタイプによってそれぞれ異なるが、一般論で言うと、「上に行けば行くほど現場が見えづらくなるので、その現場の生の情報を伝える」というのが大事だと思う。

当たり前だけれど、上司は上司で的外れなことは言いたくないし、その上司にもさらに上司がいれば、現場の生の情報を知っているということは大きなアピールポイントになる。

「とりあえず上司に話をする前に、あの課長に話を聞いておくか」「壁打ちしておくか」という距離感を保っておけば、とりあえず合格点だと思う。

もちろん関係性が良いに越したことはけれど、どうしても合わない人はいるので、このくらいの距離を保っておく。

少なくとも嫌われない程度にしておく。

それが結構大事だ。

部下から信頼されていることを理解してもらう

では2つ目。

これも書いていて嫌になってくるが、「部下から信頼されていること」はマネージャーを守る大きな武器となる。

一番大きな拠り所となる。

どんなに上司と合わなくたって、部下から信頼されていれば、そのマネージャーを邪険に扱うことはできない。

もちろんこれは難しいことだし、部下全員に好かれるなんてことは不可能なのだけれど、以前書いたように、部下から「使える」と思われていれば、上司との関係が大きく悪化することは少ない(部下との距離感参照)

自分からアピールする必要はないと思うが、こういった情報は自然と上司にも伝わっていく。

例えばその上司と部下との面談とか、何気ない日常の会話の中でだとか。

万事品行方正というのは無理だし、全方位から好意的に思われるなんて逆にどうかしていると思うので、そんな話ではなく、「ああ、課長ですか。悪くないですよ」くらいのトーンで良いのだ。

こういったことが上司にも理解されると、マネージャーの仕事は格段にやりやすくなる。

自分のやり方に横やりが入ることが減るし、ある程度裁量も持たせてもらえるようになるからだ。

頻繁に報告を求められたり、叱責されたりしていると、部下とのリレーションも上手くいかなくなるし、当然ながらチームのパフォーマンスは落ちていく。

時にできるマネージャーを演じる

なので、時には自分が「できるマネージャー」であることを部下に見せることも大事となる。

自分の上司の仕事のスタイルに合わせて、求めているものを求めているタイミングで提供していく。

そういう仕事のやり方を見て、部下もマネージャーに対する仕事のやり方を覚えていく。マネしていく。

もちろんここではマネージャーの人間性がモロに出るので、普段の行動や言動と大きく異なってはいけない。

言行を一致させながら、上司に対しても必要以上に媚びずに、普段通りの仕事をする。普段の仕事の延長線上として仕事をする。

上司にばかり尻尾を振るマネージャーというのは嫌われるマネージャーの代名詞だ。

もちろんバランスは難しい。

でも中間管理職としては重要なスキルだ。

それではまた。

いい仕事をしましょう。


あとがき

部下から信頼を得る為には上司からの信認が、上司からの信頼を得る為には部下からの信認が、というようなやや循環論法的になってしまった文章です。

しかしながら、これはかなり現場的な話で、これが順回転なのか逆回転なのかによってマネージャーの仕事のやり易さは大きく変わってきます。

特にチームが上手くいっていない時に、この信頼感があるかないか、ちょっと待ってもらえるかもらえないか、は非常に大事なことです。

媚を売るのではなく(媚は必ず見抜かれます)、自分のキャラクターと日々の行動をしっかりと意識していれば、適切な信頼感というものは生まれてきます。

一旦「不信という沼」に嵌ってしまうと抜け出すのは大変です。

日々襟を正して行動していきましょう。